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【イベントレポート】 OIHセミナー 「英国発テクノロジーが世界を変える Raspberry Piが開くGlobal Innovation」 2013.05.27

( 13年05月27日 ) 【イベントレポート】 OIHセミナー 「英国発テクノロジーが世界を変える Raspberry Piが開くGlobal Innovation」 2013.05.27

Raspberry Pi*をはじめとし、英国では多様な社会課題を解決するイノベーションを起こすための先進的なテクノロジーが次々と開発されています。
2013年5月27日OIHセミナーを開催し、このような英国発テクノロジーの最新情報を共催の英国総領事館から紹介するとともに、Raspberry Piの開発者であるEben Upton氏をお招きして、Raspberry Piが開く新しいものづくりの可能性やスタートアップ時のエピソードについてお話いただきました。

プログラムや講演者プロフィール

RaspberryPi_device*Raspberry Pi: 発売1年で100万台以上が売れた名刺サイズのコンピュータ。Makersでも話題となったArduinoなどと同様に、ものづくりの世界に大きな変革を与えるオープンソースハードウェアとして、各方面から注目を集めている。

講演 『Raspberry Piが開くGlobal Innovation』

Raspberry Pi財団 創設者 Eben Upton 氏

Raspberry Pi誕生のきっかけ

ケンブリッジ大学のセント・ジョーンズ・カレッジでコンピューターサイエンスを教えていたEben氏は、学生達のプログラミングスキルの低下に危機感を感じていました。その原因は身近に触ることができるコンピューターが不足していることにあると考えたのが、Raspberry Piプロジェクトのはじまりです。

「Raspberry Piは教育のために生まれたもの。可能な限り多様なプログラミング言語に対応し、子供たちにとって楽しいこと、小さくても頑丈であること、そして低価格でないといけない。」とEben氏。このコンセプトこそがまさにRaspberry Piが人気たる所以なのです。

RaspberryPi_Eben

外部パートナーの協力

Raspberry Piが世に広く普及するきっかけとなったのが、ある英国BBCジャーナリストの存在です。彼がRaspberry Piのプロジェクトに共感し自身のブログにRaspberry Piを掲載してくれたおかげで、大量の注文が入り始めます。このことがEben氏が大量生産について考える転機となり、さらにそんな時幸運にも大企業とのライセンス契約を結ぶことができ、生産面や流通面での問題もクリアできたそうです。

ベンチャーにとって質の高いパートナーや大企業とうまくコラボレーションすることはとても重要であり、同時に次のステージに進むための課題となることが、Raspberry Piのモデルからも読み取れます。

ユーザーコミュニティーで世界に拡大

Raspberry Piのユーザーコミュニティーをとても大事にしている、とEben氏は語り続けます。
「ユーザーコミュニティーが流れを作ってくれている。最近では、子供もこのコミュニティーに参加してくれており、子供たちがプログラミングできないのは環境のせいという仮説を覆してくれる。今後は、世界中でより多くの子供から大人までが、プログラミングに関わって欲しいと思っている。私達の目的は子供たちにワクワクするコンピューターサイエンスを提供すること。子供達が育たなければ、その国の未来はないと思っている。」

トークセッション

[パネリスト]
Raspberry Pi財団 創設者 Eben Upton氏
株式会社アックス 代表取締役会長兼社長 竹岡 尚三氏
[モデレータ]
日本ラズベリーパイユーザーグループ Lead 太田昌文氏

プログラミングは本来価値の高い仕事である

日本の学生の情報離れやプログラムスキルの低下、エンジニアでもプログラムコードが書けない現状を危惧する太田氏に対し、Eben氏は「日本の教育は悪くない、スキル重視で世界的にも評価されている。ただピアノと同じで小さいころから触れることが重要。これは教育だけの問題ではない、家庭でコンピューターに親しむことが重要である。そしてプログラミングは本来価値の高い仕事であることと認識するべきである。」と応えました。


日本でもイギリスでも「教育」と「イノベーション」は非常に重要な課題です。
英国総領事館 領事 科学技術担当 Ed Thomson氏が英国発最新テクノロジー事情紹介の中で「アイデアといいスキルがあれば、あとは環境さえ整っていればイノベーションは生まれる。」と述べられたように、いかにして「イノベーション」が生まれる環境を創るかがキーであり、また難しい問題なのです。また、学校等の教育現場だけでなく、家庭で幼い頃から学ぶことが重要であることを今回のセミナーを通して再認識しました。

参加者の声

技術的な話から、スタートアップ時期をどう乗り切ったか、いかに次のステージにステップアップしたのかといった具体的なエピソードが聞け、大変有意義な時間でした。

参加者99名(定員40名)

(文:三宅 ちさと)


主催:大阪市都市計画局 共催:英国総領事館
プログラム

( 13年05月27日 )
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