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【イベントレポート】 OIHセミナー 「イノベーションと起業家精神 ~技術力と戦略的機会を生かすためには~」 2013.06.19

( 13年06月19日 ) 【イベントレポート】 OIHセミナー 「イノベーションと起業家精神 ~技術力と戦略的機会を生かすためには~」 2013.06.19

イノベーション創出にとって必要な考え方とは何か、2013年6月19日MIT/スタンフォード・ベンチャー・ラボでアドバイザーを務めるポール・チン博士をお招きし、OIHセミナーを開催しました。

ポール・チン博士の略歴やプログラムなど詳細はこちら

講演『イノベーションと起業家精神』

日本経済再生のポイントは旧ビジネスの価値向上

世界中の企業を見てきたチン氏がとりわけ注目するのは、日本企業が有する製造や技術力。そこで「イノベーションと起業家精神」を通じての「日本経済再生」をテーマに講演が行われました。
「日本企業が長年構築してきた技術力やノウハウといったアセット(資産)は、世界的にみれば未だに優位性があり、これらのアセットを上手くマネジメントできれば、日本は再び活力を取り戻せる。日本が有している古いと思われているようなビジネスの価値向上こそが日本の経済再生のポイントである。」とチン氏の講演が始まりました。

ビジネスエコストラクチャーとイントレプレナー

ではどのようにすれば日本企業が持つ優れたアセットを上手く活用することができるのでしょうか。チン氏が挙げた方法は「ビジネスエコストラクチャー」と「イントレプレナー」です。

「『ビジネスエコストラクチャー』とは、単に製品のみを売るのではなく、特許、サポート体制、オペレーション、更にはそれらを操作する人々まで含めた複合的なシステムとして、売り込むことである。日本の新幹線を売り込む場合、単なる車輌(コモディティ)として売るのではなく、線路、運航管理システム、更には車掌も含めて統合的に捉えることだ。」

「更にこうしたビジネスエコストラクチャーを実現するために、企業内の既得権益に縛られずに新しい事に挑戦する『イントレプレナー』が重要だ。イントレプレナーとは、企業内起業家と呼ばれ、利益の源泉を正確に見極め、外部とのパートナーシップを上手く活用しながら、新しい利益の源泉を作り出せる人である。」

トークセッション

[パネリスト] ポール・チン博士
[モデレータ] innovate! osaka スーパープロデューサー 平石 郁生
(株式会社サンブリッジグローバルベンチャーズ 代表取締役社長)

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平石:今の日本企業の課題は、単なるコモディティではなくシステムとして捉える視点が欠如しているということであった。ただ日本の大企業でもそのような考え方が重要という認識は持っていると思う。例えば「Suica」は素晴らしいプラットフォームであるが、なぜ日本企業はこうしたシステムそのものを輸出出来ないのか?

チン氏:私は一企業の努力だけでなく、こうしたインフラとして提供するためには、国家を挙げてサポートする体制が必要だと思う。例えば韓国がよい例である。韓国はサムソンやLGといった企業の海外展開に対して国家をあげてサポートしている。複合的なインフラ産業になるほど外部との連携が必要だろう。日本は外部との連携が非常に苦手だと感じる。


チン氏の講演は「失われた20年」に苦しんだ日本にとって非常に勇気づけられるものでした。
「ビジネスエコストラクチャー」と「イントレプレナー」を具体策としてあげるとともに、いまの日本人にもっとも欠けているものは「マインド」であると強調するチン氏。「リスクを取らない事が最大のリスクである」と。
明確なビジョンを持ち、アセットを戦略的に活用し、適切に投資を行い、そして諦めなければ、必ず日本経済は再生する。その言葉を信じて、私達も挑戦していきたいと思います。

(文: 牧野 成将)


主催:大阪市都市計画局、駐大阪・神戸米国総領事館
プログラム

( 13年06月19日 )
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