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W-SHIFT プロジェクト~私たちが世界を変える~ グローバル・ソーシャル・イノベーター講演 「アジア新興国への「留職」で社会と組織の未来を切り拓く」 2013.10.15

( 14年02月19日 ) img_wshift_1015_01

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「We Shift, World Shift」の掛け声のもと、ビジネスを通じて社会的課題を解決し、世界を変えるようなビジネスプランの構築を目指すW-SHIFTプロジェクト。セミナー第3弾は、企業・行政・NPOが領域を超えて連携する「留職」プログラムを展開するNPO法人クロスフィールズの代表理事・小沼大地氏にご講演いただきました。
「留職」とは、日本企業の社員が新興国のNPOやNGOに数ヵ月間赴任し、本業のスキルを使って現地の人々とともに社会課題の解決に挑むというプログラムです。これは、開発途上国の現地社会が抱える課題の解決に貢献できるだけではなく、企業にとっては社員をグローバルな人材へと育成することができ、組織の中から社会的な課題を解決しイノベーションを起こすことができる、双方にメリットのあるモデルになっています。

起業のきっかけとなった2つの原体験

私は、大学卒業後、「かわいそうな途上国の人たち」に貢献したいと海外青年協力隊に臨みましたが、赴任したシリアには、「かわいそうな途上国の人たち」はいませんでした。現地のシリア人は「この国をよくしたい」と皆が使命感に燃え、その姿はとても勇ましくかっこよかったのです。
シリアから帰国後、学生時代の友人に会いました。日本や社会を変えたいと意欲に溢れて就職したはずの友人にシリアでの経験やこれからの夢を語ったところ、「お前もちゃんと就職して大人になれよ」と諭されました。企業に就職し数年経った友人からは、学生時代の熱い志は完全に消えていたのです。その現状に愕然とすると共に、若者の情熱や志の喪失は企業や日本社会にとっても大きな損失だと感じ、この日本社会を変えたいという思いに駆られました。

情熱や志溢れる青年を育むためのクロスフィールド

青年海外協力隊の時に出会ったシリア人の目の輝きと、日本で目の当たりにした友人たちの姿。この大きなギャップを埋めるものはないか考えた結果、日本企業のサラリーパーソンが新興国に赴き、自身のスキルと企業の持つリソースを総動員して途上国の問題を解決する「留職」プログラムを思いつきました。企業側にとっても「グローバル人材の育成」「新興国市場の開拓」「組織の活性化」という点でメリットがあり、現地社会にとっても「社会問題の解決」に繋がるため、両者がWIN-WINな事業モデルだと確信しています。

「留職」プログラムで数多くの失敗を経験

留職プログラムを経て帰国した派遣者からは「日本に帰国してから、仕事で失敗することが増えた」との声がよく寄せられます。失敗が増えたというのは新しいことに挑戦している証拠です。新興国の現場で課題とぶつかり、現地の人とぶつかり、日本にいるチームメンバーとぶつかる。自身のスキルを振り絞り、自分の限界に挑戦し新しいものを生み出す。この経験はまさに起業時の生みの苦しみの疑似体験となり、帰国後もこの原体験を共有したメンバーとは部署や世代を超え繋がり、その熱は新たな商品やサービスの開発に繋がっていきます。「こういう経験こそが今の社会には必要である」と小沼氏は力説されました。

「社会貢献」「若手社会人のモチベーションアップ」「グローバル人材の育成」「新興国市場の開拓」これらのキーワードはまさに今の日本社会が抱えている問題、課題でもあります。留職プログラムは社会貢献活動という観点だけでなく、日本企業が持つ課題を解決するために「留職」というサービスを提供し、途上国の発展と日本企業の課題解決に貢献し対価を得るというビジネスの観点からも非常にすばらしいプログラムです。どのようなビジネスでもその根底には誰かを想う気持ちが重要であり、それが起業への原動力となることを再認識しました。

(文:三宅ちさと)


主催:大阪市都市計画局 運営:innovate!osaka

( 14年02月19日 )
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