Event Reports

関西圏の大学におけるビジネスプランコンテスト(ビジコン)

( 16年03月10日 )

1. はじめに

大阪イノベーションハブ(OIH)では、グローバルに人材・情報・資金を引き込み、それらをつなげることで、イノベーションが継続的に生まれる環境(イノベーション・エコシステム)の構築をめざしています。OIHの開業から約3年が経ち、起業家や投資家、技術者など多様な人材が交流することで、グローバルなビジネスが次々と生まれようとしています。

イノベーション・エコシステムをさらに充実させ、永続的なものとするには、人材の発掘が不可欠であり、起業家人材の候補生である大学生や高校生などの起業マインドを醸成していくことが重要です。

関西圏の各大学では、大学生や高校生などの学生を対象として、起業家人材の育成を目的としたビジネスプランコンテストが多く実施されています。

今回、関西全体で起業家人材をより効率的・効果的に発掘する仕組みづくりの参考とするため、関西圏の各大学が独自で実施しているビジネスプランコンテストを俯瞰的に把握できるよう取りまとめを行いましたので、ご紹介します。

2. ビジネスプランコンテストの現状

関西圏の大学では、10年以上前からビジネスプランコンテストが開催されています。毎年、春から秋にかけてアイデア募集、秋から冬にかけて最終審査が実施されています。

参加対象を主催大学の学生に限らずオープンにしているもの、学生による実行委員会が企画運営しているもの、中高校生のビジネスプランコンテストも同時に実施するものなど、各大学で特色がみられます。

関西学院大学、立命館大学、同志社大学のビジネスプランコンテストは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が3月に開催する学生ビジネスプランコンテストの全国大会である「起業家甲子園」の予選を兼ねており、NICT賞(起業家甲子園への出場権)が設けられています。

3. 個々の事例

数多く開催されているビジネスプランコンテストのうち、龍谷大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学といった各大学のビジネスプランコンテストに参加し、学生の新しい発想に触れるとともに、起業家人材の発掘を行ってきました。

(1) 龍谷大学ビジネスプランコンテスト「プレゼン龍(ドラゴン)」

地域連携や社会連携事業の中核拠点となる龍谷大学エクステンションセンター(REC)と学生実行委員会との共催により「プレゼン龍」が開催されました。

グランプリを獲得したのは経営学部3年生。趣味と経験から考案したビジネスプランは、自らの人的ネットワークを活用し、格安で、現地の人のみが知る上質な観光情報を提供する旅行アドバイス業。本気で起業をめざすこの学生は、昨年に続くグランプリの受賞で、さすがにプレゼンが上手でした。

イベントの演出は凝っていて、オープニング、エンディングの映像が感動的で、学生実行委員会の情熱がうかがえました。全国の高校生を対象にしたビジネスアイデアコンテストが同時に開催されるなど、コンテンツが盛りだくさんの充実したイベントでした。

龍谷大学

(2)KGビジネスプランコンテスト(関西学院大学)

大学の研究推進社会連携機構の主催、学生実行委員会の企画運営により開催されました。

優勝したチームのビジネスプランは、爆買いする旅行者をサポートするサービス。優勝チームを含め、出場5チームのうち4チームが国際学部の学生で、メディカルツーリズムや商店街活性化など、社会問題を題材にしたビジネスプランが多くみられました。

当日は、理工系シーズを活用したアイデアコンテストの優秀アイデア賞受賞者によるプレゼンがあり、水路を活用した水耕栽培など、早期の実用化が期待できるアイデアの発表がありました。

また、中高校生のビジネスプランコンテストも同時開催され、とりわけ女子中学生の堂々とした発表が印象に残りました。この中学生は、3月の起業家甲子園に、出場11チームのなかで唯一の中学生として出場し、総務大臣賞に次ぐ審査委員特別賞を受賞しました。

関西学院大学

(3)立命館大学学生ベンチャーコンテスト

立命館大学の主催、NICT等の協賛、大阪府や地元商工会議所等の後援により開催されました。立命館大学以外の学生からも広く募集するもので、多くの応募がありました。

最優秀賞を受賞した京都工芸繊維大学のチームのビジネスプランは、「世界中の求職者と仕事が見つかる国境を越えた求人・求職プラットホーム」で、このチームは平成25年度の起業家甲子園にも出場しており、今後の事業化が大いに期待されます。

協賛企業賞を受賞した立命館大学のチームのビジネスプランは、「規格外野菜を原料としたジュースで、農家と学生を繋げるコミュニティの創生」で、後日、農業関係者の紹介など事業化に向けた支援を行いました。

NICT賞を受賞した立命館大学のチームは、今年度のOIHのプログラムに参加した学生達。半年間に及ぶピッチ&メンタリングを中心としたプログラムが実を結びました。このチームは起業家甲子園に出場し、審査委員特別賞を受賞しました。

立命館大学 プレゼン2

(4)同志社大学ビジネスプランコンテスト「New Island Contest」

同志社大学の学生団体とリエゾンオフィスの主催、OB会や銀行等の協賛、NICTの協力により開催されました。

グランプリを受賞したチームのビジネスプランは、インバウンド向けガイドツアー企画サービスで、NICT賞も同時受賞し、起業家甲子園に出場しました。

学生団体の代表者は1回生で、上級生のサポートを受けながら頑張る姿はとても微笑ましく思えました。このビジネスプランコンテスト出身の若手起業家による講演も興味深い内容でした。

同志社大学

4. まとめ

今回、参加してきたビジネスプランコンテストは、どのイベントも創意工夫が凝らされていて素晴らしいものばかりでしたが、まだまだ注目度が低いように感じました。

今後、より多くの方に、こうしたビジネスプランコンテストに興味をもっていただき、イベントが活性化されるように、各大学と連携して、ビジネスプランコンテストのPRを行うとともに、各大学のビジネスプランコンテストや起業家甲子園との連携を図るなど、各大学の取組みがより充実したものとなるよう取り組んでまいります。

また、起業家マインドの高い学生を発掘し、OIHを拠点としたグローバルイノベーション事業(例えば、アクセラレーションプログラムやシリコンバレーツアーの提供、ピッチイベント登壇の機会創出など)により、ビジネスプランの事業化を支援し、アントレプレナーの育成、そしてイノベーション・エコシステムの充実につなげていきます。

■2015年度の主な大学主催のビジネスプランコンテスト

【第10回 関西大学 ビジネスプラン・コンペティション「KUBIC」】
・応募締切 / 最終審査 : 6月13日 / 10月3日
・応募資格 : 全国の学生・大学院生など
・賞金など : 優勝賞金20万円など
・目的 : 学生の力を存分に発揮してもらう場を創る
・関連URL : http://www.kubic-kandai.com/

【第2回 ビジネスプランコンテスト(近畿大学経営学部)】
・応募締切 / 最終審査 : 6月22日 / 10月24日
・応募資格 : 近畿大学経営学部生
・目的 : ビジネスへの意識向上、企画力・プレゼン力の向上
・関連URL : http://www.kindai.ac.jp/keiei/news/post-53.html

【第13回 大商大 ビジネスアイデアコンテスト】
・応募締切 / 最終審査 : 7月1日 / 10月31日
・応募資格 : 大阪商業大学の学生、大学院生
・賞金など : 学長賞5万円+海外ビジネス研修など
・目的 : 起業家精神あふれる人材の育成
・関連URL : http://ouc.daishodai.ac.jp/research/at_university/business_idea/

【第1回 大阪府立大学 ビジネスアイデアコンテスト】
・応募締切 / 最終審査 : 10月9日 / 11月3日
・応募資格 :大阪府立大学の学生(高専含む)など
・賞金など : グランプリ10万円など
・関連URL : http://www.csies.21c.osakafu-u.ac.jp/info/724

【第15回 龍谷大学 ビジネスプランコンテスト「プレゼン龍」】
・応募締切 / 最終審査 : 10月21日 / 11月21日
・応募資格 :龍谷大学の学生、大学院生
・賞金など : グランプリ20万円など
・目的 :大学発学生ベンチャーの発掘・育成
・関連URL : http://rec.seta.ryukoku.ac.jp/info/presendragon/index.html

【第10回 KGビジネスプランコンテスト(関西学院大学)】
・応募締切 / 最終審査 : 10月6日 / 11月28日
・応募資格 : 関西学院大学、聖和短期大学の学生
・賞金など : 最優秀賞30万円、NICT賞など
・目的 : 学内の起業文化の創出
・関連URL : http://www.kwansei.ac.jp/shakairenkei/shakairenkei_m_001164.html

【第12回 立命館大学 学生ベンチャーコンテスト】
・応募締切 / 最終審査 : 10月13日 / 11月28日
・応募資格 : 全国の短大・大学・大学院・高専の学生
・賞金など : 最優秀賞30万円、NICT賞など
・目的 : 大学発ベンチャーの創出と起業家育成
・関連URL : http://www.ritsumei.ac.jp/research/vc/

【第6回 追大学生 ビジネスプランコンテスト】
・応募締切 / 最終審査 : 11月9日 / 12月12日
・応募資格 : 追手門学院大学の学生、大学院生
・賞金など : 最優秀賞 QUOカード5万円分など
・目的 : 起業家マインドの醸成と起業の正しいあり方への関心の高まり
・関連URL : https://www.otemon.ac.jp/event/detail/56

【第12回 同志社大学 ビジネスプランコンテスト New Island Contest】
・応募締切 / 最終審査 : 11月16日 / 12月19日
・応募資格 : 同志社諸学校の学生
・賞金など : 優勝賞金30万円、NICT賞など
・目的 : 起業という枠組に対して様々な観点から幅広い層が関与できる機会の提供
・関連URL : http://liaison.doshisha.ac.jp/news/2015/1124/news-detail-617.html

【起業家甲子園】
http://www.venture.nict.go.jp/koshien2015/report

レポート作成者:大阪市経済戦略局立地推進部  梅田昌彦 / 金井容秀

( 16年03月10日 )
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