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アメリカ起業をめざす際に知っておくべきビザのポイントとは?

( 16年06月07日 )

『アメリカで失敗しないために知っておくべき米国法務』 -2016.05.26

OIHでは、スタートアップの方々のグローバル支援をしていますが、やはり海外ビジネスを始める際、最も進出先として候補にあがる国はアメリカです。
そこで本セミナーでは、海外展開支援を専門とする弁護士の方々を講師に迎え、アメリカ進出に欠かせない米国法務についてレクチャーいただきました。

会社設立・展開のタイムラインに沿って進められた講義全体で強調されていたのは、ビザの重要性
ここでは、そんなビザの種類や留意点についてレポートします。

※プログラム内容詳細:https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=21234

1. 取得すべきビザの種類とは

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海外でビジネスをするにあたり、日本人が取得できるビザの選択肢には大きく5つあるといいます。

【1】ESTA 
【2】B1/B2
【3】L1
【4】E2
【5】その他

【1】と【2】は、市場調査・下見を目的とする非就労ビザ、【3】【4】【5】はビジネスが目的の就労ビザです。
つまり、まずアメリカで自分がやりたいことは、本当に「就労」なのかどうかを、ビザを取る前に改めて考えなければなりません。

例えば、アメリカ進出といっても、いきなり現地でビジネスを始めるとは限りませんよね。現地の市場や動向を調査するというのであれば、取るべきビザはESTAまたはB1/B2となります。それぞれ滞在可能期間や手続きの進め方は異なりますが、共通していることの1つは、アメリカ法人の名刺を「持っていない」こと。よかれと思って、先に米国法人を想定した名刺を用意していたり、LinkedInなどにその会社の役職員として登録していると、本来の目的とは異なる(ビジネス目的になっている)とみなされ、入国できないことがあります。

また、ビジネスを目的として取得できるL1やE2も、それぞれ特徴や条件が異なるので、事前に詳細に調べておく必要があります。ちなみにE2は、企業の国籍と申請者の国籍が一致する必要があったり、ビジネスをスタートするための相当額を投資してお金を使う必要があったりするのですが、滞在期間が通常5年と長いため、日本の起業家が最も取得しているビザだと言われています。

そして最後の「その他」ですが、中でも意外にお勧めなのがF1というビザ。これはそもそも留学を目的としたビザですが、在学中はCPTでインターンシップに行くことができ、卒業後はOPTで起業することもできるのです。就労にあたる「活動」さえしなければ、会社を作ってもいいですし、役職を持つこともできます。つまり、現地での情報収集から起業までの流れがすべて実現できるビザになっているのです。また、その期間内に一定の実績を残すことができれば、期間終了後に他のビザを取得できる条件が自然と整います。もちろんこのビザにも各種条件はありますが、対象となる方は、一度検討してみてはいかがでしょうか?

2. ビザのことは最初から考えておく

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入国時だけでなく、アメリカで法人を実際に設立して、ビジネスを展開させるステップでも、ビザは大きく関係してきます。

例えば現地法人の「数」。順調に法人を増やせても、資本金や人員の観点からビザ申請の要件を満たせなかったり、企業間の転勤が大変になったりすることがあるのです(ビザを再度申請しなければならないなど)。
また、現地への人材派遣や採用をする際にも注意が必要です。「日本企業から転勤させる場合」「現地で採用する場合」「研修生を入れる場合」などで、その対象者が持つべきビザが異なってくるのです。

このように、入国時や法人設立時の手続きだけでなく、その会社の運営・活動内容とビザの要件は、一定程度連動しています。そのため、アメリカでのビジネス展開を検討する、最初の段階からビザの種類を考え、さらにビザの更新手続きなどを見越して、資金額や事業内容を検討することが求められるのです。


「アメリカで起業」と言うと、その手続きがややこしそう…と思われますが、実はそれ自体難しいことではありません。重要なのは、“ビザの取得は決して簡単ではない”という認識です。
ただし、ビザを取ることが目的になってしまうのは本末転倒。そうならないためにも、米国進出にあたっては、ビジネスプランのブラッシュアップだけでなく、これら法務面の勉強も同時に進めておくのが得策かも知れません。

レポート作成者:EDA MAMI

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( 16年06月07日 )
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