Event Reports

言葉や文字だけじゃない。コミュニケーションを活性化するグラフィックレコーディングとは?

( 16年07月11日 ) uemachi_gra004

【上町座×OIH】グラフィックレコーディング体験ワークショップ

新しいファシリテーション手法として注目されている「グラフィックレコーディング」。
グラフィックレコーディングとは、会議や講演などの内容を聞きながらそれらを絵に表現するというもので、頭の中を整理したり、コミュニケーションを円滑にするなどの効果があります。

今回のイベントでは、グラフィックレコーディングにおけるポイントについてレクチャーを受けながら、実際に参加者の方々に手を動かしていただきました!

※プログラム内容詳細:http://uemachiza0615.uemachiza0615.peatix.com/

グラフィックレコーディングのポイントは3つ

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グラフィックレコーディングを行う際に大切なのは、「聴き取る」「表現する」「構造化する」という3つのポイント。

まずは話し手が発している情報を聴き、その内容に意識を集中させて、それぞれの意味と関係性を理解します。そして聴き取ったものをスピーディにイラストや記号を使って表現し、さらにその表現したものを構造化して、よりわかりやすく可視化するという流れです。

つまり、グラフィックレコーディングを行うには、聴きながら表現し、表現しながら構造化し、構造化しながらまた聴くという、「ながら能力」が必要なのです。
では、それぞれのポイントについて具体的に見ていきましょう。

ポイント1「聴き取る」

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先ほど述べたように、まずは、耳に入ってきた情報は、すぐに手を動かしながら見える化していきます。この時注意しなければならないのは、決して考えてから絵を描こうと思わず、描きながら考えること。「描く」ということに慣れていないと、この「~しながら描く」という作業は難しいかも知れませんが、ペン(今回は太い芯と細い芯のあるフロッキー)の使い方ひとつでぐんと簡単になります。例えば、太い方のペンでうまく描くためには、芯の先が鋭角になっている方を親指側に持つのがポイント。さらに、芯を縦向きにすると細くて繊細な文字も書くことができます。このようなコツを意識しながら、いろんな線や文字を実際に描いていくことが、少しでも描くことに早く慣れる近道です。

また、聴き取りながら描く際、固有名詞は必ずメモしておきましょう。後で描いた内容をわかりやすく整理するときに、このメモが役立ってきます。そして、形や姿などのビジュアル情報を見える化する際は、文字を使用してそれらの特徴を表現するのも良いですが、やはり形として描いた方がより分かりやすくなります。最初はうまく描けなくても、極力イラストを使うようにしましょう。さらに、それぞれの情報やモノの関係性(対応付け/関連付け)にも同時に注目し、描く位置に注意しておくと後で整理しやすくなります。

ポイント2「表現する」

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聴き取ったものを絵にする、つまり「表現する」というのは、一見難しそうに聞こえますが、これもコツを覚えれば簡単です。まずは、基本となる図形(△や○)を使って、身の回りのものを表現してみます。建物や文房具、食べものetc…。すると描いていくうちに、角度や組み合わせ次第でいろんなものが簡単に描けることがわかると思います。それが自分で実感できると、表現することがだんだんと上手になってくるのです。

そして、人物をうまく描写する方法ですが、これもまずは○や△、線を使って人の表情を表すことから始めてみましょう。そこからまた線で体や動きを加えたりして、その人物がどんな状況で何をしているのかを表現していきます。その際、これは書きやすいなと思う自分用の「人型」を決めておくと、次からさらにスムーズに描くことができます。

重要と思われる情報を表現する場合は、吹き出しを描いたり、その部分を囲むなどといった技がありますが、色を使うというのも有効な手段です。ただ色を使うといっても、初めから多くの色を同時に使うことはお勧めしません。かえってごちゃごちゃして見えるからです。まずは基本色(例えば黒)と強調色(例えば赤)など、2色使いからマスターしてみてはいかがでしょうか?また色にもそれぞれの特性があります(黒は遠くから見たときに最もはっきりと見える、黄色は文字に使うと見難いが塗りで使うとキレイに発色する、灰色は影に使うと簡単に立体感が出るなど)ので、それらを活かして使い分けるのも良いですね。

人型にしても、色使いにしても、自分なりの表現の型を身に付けるためには、いろんな人の表現をマネすることも大切。マネをしながら自分にしっくりくる表現、好きな描き方を発見しましょう。
最初は美しいものではなく、「伝わるものを描く」というスタンスで練習を重ねると早く上達します。

ポイント3「構造化する」

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表現した後は、それらを整理し、より理解しやすくするために「構造化」を行います。構造化する方法にはさまざまなパターンがあります。内容でまとめたりせず、意見や情報をそのまま並べるリスト形式、情報を矢印や枝でつなぎ、情報全体のつながりと広がりを示すラディアル形式、情報の内容を意識し、分類しながらそれらの種類や関係性を見つけていくクラスター形式など…。

しかし構造化するときに大切なのは、これらのようなパターンを覚えることではなく、あくまでも情報を整理し、わかりやすくするということです。その作業の中で心がけておくべきことは、まず、情報の中で同類(同じカテゴリーになっているもの)は1つに囲い、まとまりとして見せ、さらにそれぞれの関係性を矢印などを使って表現することです。そして大事な文字としての言葉は、目でわかりやすいようにしっかり強調しておきましょう。

キレイに構造化したいけどなかなかうまくいかないという人は、先ほどお話したような、リスト形式やラディアル形式などのよくある型から入ってみるのも良いですし、予め自分なりのテンプレートを用意しておくのもお勧めです。


グラフィックレコーディングは、言葉や文字だけではうまく意思疎通を図れないシチュエーション、例えば、価値感が違う人や異なる分野の人と情報を共有したり議論したりする場合、創造的な議論をする場合、いち早く活動を共有・発信したい場合などで、特にその効果を発揮してくれます。

ぜひ、「聴き取る」「表現する」「構造化する」という3つのポイントを押さえながらグラフィックレコーディングを自分のものにして、これからのビジネスやネットワークづくりに役立てていただきたいと思います。

レポート作成者:EDA MAMI

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( 16年07月11日 )
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