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学生のうちに学びたいアントレプレナーシップ〜学生起業家との交流から

( 16年07月04日 )

OIHは開設して3年以上が経ちますが、その間に学生ピッチイベントや学生ハッカソン、ワークショップなど数々の学生を対象としたプログラムを実施しています。そうしたこともあって、学生起業家ともお会いする機会が多くあります。今回は、そうした学生起業家たちとの交流のなかで感じたアントレプレナーシップについて考えます。

アントレプレナーシップを持つ学生が増えた

前述したようにOIHでは、数々の学生対象イベントを開催していますが、年に1回シリコンバーツアーも実施しています。学生だけを対象にしていませんが、多くの学生が参加します。なかには、すでに起業している学生も参加します。また、過去には、ツアーに参加し、決まっていた就職をとりやめて起業した有名国立大学生もいました。私たちも驚きましたが、彼はその後、VCからの投資も受け、いまも順調に事業を成長させています。

このように、OIHでは、学生起業家と知り合う機会が多々ありますが、学生起業家の数が増えたかというと、昔よりは起業環境が整備されてきているので「少しは増えた」ように感じますが、「増えた」という実感はありません。いつの時代も学生でビジネスを始める方は一定数いますし、絶対数自体は大きく変わっていないのではないかと思います(統計資料に基づくものではなく実感値です)。しかし、学生のうちから社会課題に感心を示し、社会のなかで実現したいアイデアを持つ学生は確実に増えたなと感じます。

そうした学生と会ううちに気づいたことがあります。彼らに共通して流れるマインドは何か、ということです。そして、思い至ったのは、「アントレプレナーシップ」です。

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アントレプレナーシップとは何か

アントレプレナーシップと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。多くの方は「ベンチャー企業を立ち上げる人の話でしょう」と思われているのではないでしょうか。確かに、正解です。アンレプレナーシップは、起業家精神とも訳されるので、「起業する人が持っておかないといけないマインド」という一面は確かにあります。

でも、それは起業家やベンチャー企業だけのものでしょうか。近年、大学をはじめとした教育の場で、盛んにアントレプレナー教育が取り上げられるようになりましたが、それは必ずしも起業のための教育ではありません。ちなみに、「アントレプレナーシップ」とGoogle検索をかけると、様々な解釈が出てきます。言葉の意味だけでいうと、デジタル大辞泉には以下のように記されています。

“企業家精神。新しい事業の創造意欲に燃え、高いリスクに果敢に挑む姿勢。”
(出典:デジタル大辞泉)

つまり、起業だけのマインドではなく、強い目的意識をもって自立的にやり遂げる精神のことをさしているのです。

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大企業におけるアントレプレナーシップ

OIHでは、5月から「OIH始動コミュニティ」を立ち上げ、週1回のペースで活動を行っています。
「OIH始動コミュニティ」とは、大手企業でイノベーションを起こそうと思っている人を対象とした、新規事業を立ち上げるうえで抱えている課題やテーマをともに考えるコミュニティです。中心になっているのは、メンターの役割を担う「始動Next Innovatorプログラム」の第1期メンバーで、錚々たる大企業の新規事業担当者が名前を連ねています。

メンターである彼らは、ふだん東京在住ですが、ローテーションを組んで、実費でOIHまできてくれています。そして、大阪在住のコミュニティメンバーとともにワークショップなどを行い、課題の共有や解決手法について議論を重ねています。一見、「自社の事業でもないのに」という思いが浮かびます。しかし、それこそ、アントレプレナーシップなのだと思います。

以下に、コミュニティ立ち上げにあたっての宣言文を掲載します。

“大企業は長年の活動により、
強固な組織、厳格なルール、効率性を重視する企業文化を醸成する。
しかし反面、創造性を蝕み、人材を画一化し、例外を許さない。
結果として活力が欠如し、自ら変えようという意欲も失われる。

しかし、そうした環境下でも未来に目を向け活動する人がいる。
大企業の中でイノベーションを起こそうともがきながら
高い壁に悔しい思いをするイントルプレナーがいる。

我われはその思いを実現するために、共に悩み、共に考え、
まだ社会でノウハウの無い課題へ対応するための
コミュニティを形成したいと考えている。“
(始動コミュニティ立ち上げの企画書より)

ここには企業の一社員という枠を超えた、「何かを成し遂げる」ための熱量の高さ感じます。実際にメンターである彼らの多くは、誰もが知っているサービスの立ち上げに携わり、その事業化に汗を流した方ばかりです。

彼らは起業家ではありませんが、社内で新しい事業を立ち上げるイントレプレナーです。そこには、強いアントレプレナーシップがあります。強い目的意識があります。彼らをみていると、起業するしないに関わらず、アントレプレナーシップの重要性に気付かされますし、いまの社会に必要な精神だと感じます。そして、こういう精神こそ、学生の間に養っておきたいものだなと思います。

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学生にしっかりと情報を届けるのもOIHの役目

学生はいつか社会に出るタイミングを迎えます。多くの方は就職を選ぶでしょうが、なかには起業を選択する方もいるでしょう。いずれにしても、アントレプレナーシップが重要です。それがあれば、どのような選択をしても、目的地へ向けてしっかりと歩くことができます。

だからこそ、私たちは、少しでもアントレプレナーシップ醸成のお手伝いをしたいと日々、企画を考えています。また、学生は情報が少ないという声もよく聞きます。そこは、しっかりと情報を届ける仕組みを作っていきたいと考えています。

これからの社会を担う学生たち。彼らがアントレプレナーシップをもち、社会で活躍するようになったとき、きっと未来は面白いものになっているに違いありません。応援しています。

文・手嶋 耕平

【関連プログラム】
【OIHカレッジ】学生向けアントレプレナー育成プログラム
http://www.innovation-osaka.jp/ja/news/7244

【Facebookの学生コミュニティグループ】
OIH Innovation Circle
https://www.facebook.com/groups/1800617286826024/?fref=ts
※Facebookのアカウントが必要になります。

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( 16年07月04日 )
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