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日本式ピッチあるある:グローバルに通用するためのコツとは

更新日:2020年11月26日(木)

今回は、よくあるピッチでのつまずきを「日本式ピッチあるある」として4つの根本的なマインドセットの違いや改善要素を紹介していきます。

1. 「お客様向け」の喋り方をしがち

まずは、聞き手が「お客様」になっている喋り方。敬語を使い、時にはアナウンサー的な「ええ声」の人を起用することも。

これでは語り手と聞き手の距離がありすぎて、サービスの良さに「いち個人として」共感しにくくなります。聞き手はあくまでも投資家やポテンシャルユーザーです。そしてピッチの目的は、アイデアの価値に共感してもらうことなのです。

だからこそ、へり下って丁寧に話すことよりも、自信を持って聞き手を引き込ませることが大切です。

スティーブ・ジョブスのiPhone発表会での喋り。彼が初めてiPhoneを発表したプレゼンは多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。

それは、彼のプレゼンはinspring(感動的)であり、決して丁寧さに重きを置いたわけではないからです。

アドバイス:ピッチでは、丁寧さよりもinspringな喋り方を心がけなはれ。

https://youtu.be/L0XeQhSnkHg

2. ストーリーテリングでなく「説明」しがち

日本企業の方にピッチを準備してもらうと、まるで説明書のようなプレゼンが出来上がってくることがよくあります。

これは、ピッチの重点がプロダクトの機能や技術に置かれ「いかに抜かりないアイデアか」の説明になっている状態。

しかし、ピッチでは、完璧な説明よりも、熱量を込めた、聞き手がサービス価値に共感せざるを得ない説得力が重要です。

アドバイス:聞き手に自分のアイディアの価値を説得するストーリーを語りなはれ。

3. 浅い問題をたくさん解決しようとしがち

ピッチでは「解決しようとした問題は何か」を説明する場面が多くあります。これはもっとも。

しかし、ここでやりがちなのが、浅い問題をいくつも挙げ、まるで自分のサービスアイディアが十得ナイフであるかのごとくアピールをすること。

これは、聞き手からすると「結局何を解決するサービスだっけ?」となり、いまいち利用シーンが思い浮かびません。

まさに二兎追うものは一兎も得ず。多くをアピールするほど、誰からも深い共感を得られないピッチになってしまいます。

心を掴むピッチには全て、解決すべき問題からその解決策、そして解決後の理想の状態まで、聞き手を導く一貫したストーリーが存在します。この流れを意識しながら、深い課題から軸足をずらさないピッチを心がけましょう。

アドバイス:ピッチでは浅い問題をたくさん述べるのでなく、深い問題を1つ述べなはれ。

4. 解決策の説明が「使い方」の説明になりがち

短時間のピッチで、問題に対する解決策がどのようなものかを説明すべく「使い方」を説明してしまうのもあるある。

これでは、問題の解決策に直接的には繋がりません。サービスがユーザーに対して何をするかを説明する方が重要です。

例えばGoogleについて、短時間でその価値を説明すると、以下のような悪い例と良い例になります。

悪い例:
「トップページにアクセスし、ウィンドウにキーワードを入力し、検索ボタンをクリック。すると、入力したキーワードを含むウェブサイトが一覧表示されます。」

良い例:
「例えば、肉じゃがを作りたいがレシピがわからない。そんな時、これで『肉じゃが 作り方』と検索すれば、レシピが載っている可能性の高いサイトが一覧で表示されるため、欲しい情報に短時間で辿りつけます。」

初見のサービスの価値を理解するのは基本的に難しいこと。だからこそ、なるべく相手目線、ユーザー目線での簡潔な説明が大切です。

アドバイス:「使い方」ではなく「どう問題を解決するのか」を説明しなはれ。

まとめ

根本的な原因はつまるところ1つ。それは「正解がある」という思い込み。

しかし、ピッチやスタートアップビジネスは、正解も不正解もない中で「自分はこれを信じています。(もちろん正解は分からないけど)あなたもそう思いませんか?」と共感させるもの。

そうなると、正解がなければ「完璧」も何もないことに気がつくはず。完璧をめざすより、自社サービスやめざすべきゴール、ビジョンを誰よりも理解し、それらをいかに魅力的に語れるかがピッチの肝であり、面白さです。

また、ピッチには「場数」も重要です。だからこそ、恐れずにチャレンジする姿勢を持っていただきたいのです。ピッチを繰り返し、得たフィードバックを次回に活かす。こうして改善していくことで、ピッチはどんどん洗練されていきます。

今後ピッチを行う人にも、ピッチを指導する人にも、ぜひ上記ポイントを踏まえ、共感されるピッチを磨いていただけると幸いです。

大阪イノベーションハブでは年間50回以上のピッチイベントを行っています。登壇・観覧にご興味のある方はこちらをぜひチェックください。

執筆者:btrax Japan

編集・編集責任者:大阪イノベーションハブ 鈴木

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