スタートアップTRENDY

ヒットサービスに重要なのは “革新的アイディア” ではない!?

更新日:2021年07月01日(木)

画期的なアイディアだと思っても、すでに他の人も同じようなことを考えているケースは少なくありません。
また、事業を考える際のアイディア出しでは、行き詰まった際の打開策を知りたいという声もよく聞かれます。
しかし、正直アイディア自体はあまり重要ではなく、もっと重視すべきポイントがあります。

アイディア一発で成功できるほど甘くない

「これから来そうなアイディア」は誰もが知りたがるもの。短期間で急成長しているスタートアップを外側から見ると、どうしてもアイディアが重要だと思いがちになってしまうのもわかります。
しかし、実際は「一夜にして成功」して見える会社でも、かなり長い時間をかけて試行錯誤しているのです。Airbnbのファウンダーの一人は、下記のようにアドバイスをしています。

“これから起業する人や今起業している人にアドバイスしたいのは、起業してビジネスをするというのはマラソンのようなものだということです。
一定のペースを保ち、長い目でゴールを見る。短期決戦というわけにはいきません。短いスパンでうまく行っても、続かないのです。逆に最初はうまく行かなくても、長期的なスパンで考えればその先に成功があるかもしれません。短期的に捉えるのではなく自分たちのペースでやっていくことが大事だと思います。”

「一瞬のひらめき症候群」が後を絶たない

それでも多くの人は「一瞬のひらめき」を追い求めてしまいがち。しかし、実際これはほとんど起きません。
自分では考えもしなかった課題に対するアイディアをある日突如ひらめくことはありえないのです。逆に、1つの課題を解決しようと日々努力している人こそが、解決策にたどり着くことができます。
どうやって革新的なビジネスを作るのか?

どうやって革新的なビジネスを作るのか?

それでもヒットするサービスを作り出すには何らかのアイディアは必要になります。少なくとも、既存のサービスに対する改善アイディアくらいは持つべきでしょう。
ではどうやるのでしょうか?1つの答えは、アイディアは、アクションを起こし続ける過程で生まれるというということ。そのアクションは常に解決すべき課題に紐づき、その課題が明確に定義され、焦点が定められているほど良いものです。

方法1: 課題をできるだけクリアにする

解決すべき課題を定義し、その範囲を定める、そして、それに対する共感を得ている必要があります。
例えば、まだ誰も発明していない特許を3つ考えてみましょう。
おそらくかなり難しいと思います。では、座ったまま背筋を伸ばすエクササイズを3つ考案しましょう。今回はずっと楽に思いつくのではないでしょうか。

なぜでしょう?「特許を取得する」という課題定義があまりにも広く、制約や定義がないから。そして、特許を取ることに対しての共感と理解も足りないでしょう。
一方で「椅子に座り続けて背中が痛い」という課題は明確に定義されており、その当事者になった経験があるため、アイディアを発想するのは格段に容易になります。
ここでわかるのは、アイディア自体の革新性よりも、具体的な課題が定義されている方が正しい解決策への近道になることです。

方法2: 課題解決に利用できるテクノロジーを理解する

解決すべき課題を定義した後は、その解決に利用できる「ツール」への理解を進めること。ここでのツールとは、テクノロジーをさします。
そして、明確に定義された課題の解決には、どんな技術が利用可能で、何ができるのかを知る必要があります。

方法3: 課題に向き合いつつも必要に応じてピボットする

アイディアは生き物。思いついたらそれを成長させ、必要に応じて変化させる必要があります。なぜなら世の中もユーザーも生き物だからです。
そして、1つのアイディアからは10も20も異なるサービスを生み出すことができることを知っておきましょう。そもそも、アイディアだけで課題の解決策になることは非常に稀です。
アイディアは始まりにすぎず、課題仮説、POC、MVP、α版、β版を通じ、ユーザーからフィードバックを得ながら常に課題とのズレを調整し、時には大きな方向転換 =ピボットを経て、より高精度のものへと磨かれていきます。
実際に、現在多くのユーザーに利用されているサービスも最初は小さな一歩を踏み出していました。

例えば:

  • – Amazon: 本だけの通販
  • – Netflix: DVDの配送レンタル
  • – Uber Taxi: リムジン利用アプリ
  • – ティファニー: 文房具

方法4: とりあえずリリースして徐々にクオリティーを高めていく

環境は常に変化し続けています。企業活動ひとつ取ってみても、経済危機、パンデミック、テクノロジーの進化、競合他社からの挑戦、エンドユーザーの要望の変化などの変化が常に起こっています。
変化は新たな課題を常に生み出していると考えても良いでしょう。課題の変化のスピードが上がるほど、解決策も機敏である必要が出てきます。
特にテクノロジーが急速に進化する今日、「素晴らしいアイディア」の賞味期限は短いのです。

Hipchat Yammar

タイミングを逃さないためには、まず小さな一歩を踏み出す勇気を持って、サービスをリリースすること。そして、ユーザーの反応を見ながらクオリティーを上げていくことが重要です。

アイディアよりも実行を

世の中では、「先に考えた人」ではなく「先に出した人」が評価されることを考えると「あれ、俺も考えていたんだよ!」という言葉は、残念ながら全く意味がありません。
最初の一歩を踏み出すことを念頭において、サービスづくりをしていきましょう。

執筆者:btrax Japan

編集・編集責任者:大阪イノベーションハブ 大谷

スタートアップTRENDYトップに戻る