スタートアップTRENDY

初心者でもわかるスタートアップの基本

更新日:2021年09月27日(月)

「スタートアップ」という言葉が日本でもかなり浸透してきました。CMや起業家のメディア露出も広がったことで、一般的な認知度も高まっているでしょう。ただ一方で、よくわからないまま知っているつもりで語る人が増えているのも事実。

意外と知られていないスタートアップの現状

特に日本では、“ベンチャー企業”と混同されたり、成長モデルに関する誤解や起業家に対する誤ったイメージなど、基本が理解されていないことも多くあります。そこで今回は、スタートアップに関する基本的な内容を一気にまとめてみました。

スタートアップとは?

基本中の基本のような問いから始めましょう。何かカッコ良い響きがありますが、スタートアップの実際の定義とは何なのでしょうか。
スタートアップは一言で、“新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体”です。

スタートアップとベンチャーは同じ?

“ベンチャー企業” の定義と、上記のスタートアップの定義を照らし合わせると、スタートアップ型のベンチャー企業もあれば、そうでないベンチャー企業があることがわかります。
無理に急成長をめざさずに、着実に利益を出しながら成長する企業はベンチャー企業の中でもスタートアップの定義には該当しません。

ガラケー

スタートアップ成功への主なプロセス

次は、どのようにスタートアップが始まり、最終的な成功 = エクジットに辿り着くのかのプロセスを見てみましょう。

5000万ユーザー

1. 現在の状況への課題感と未来への構想を立てる

現状の課題を解決し、より良い未来を生み出すサービスを生み出すには、課題の発見と、未来への構想から始めます。

2. 現状と未来へのギャップが何かを明確にする

次にすべきは、構想したより良い未来と現在の状況にどのようなギャップがあるかを明確にすること。

言い換えると、未来予想と現状課題の明確化です。

3. ギャップを埋める商品・サービスを言語化する

そのギャップを埋めるために必要とされる商品やサービスを構想し始めます。

大切なのは、その商品やサービスが課題解決と未来実現に繋がっていることです。

4. プロトタイプを作成する

机上の空論で終わらぬよう、できるだけ早い段階でプロトタイプを作り始めましょう。

ここではビジネスプランよりも先に、ユーザー向けのプロトタイプを作成することが重要です。

5. プロトタイプを合計100人にプレゼンする

プロトタイプができたら、可能な限り多くの人たちに見せ、フィードバックをもらいます。

具体的な目標値としては100人ぐらいが妥当でしょう。

6. フィードバックを元に納得するまで改善する

最も重要なステップの1つがこちら。愛情を込めたプロダクトでも、ユーザーが愛してくれるかどうかは別問題です。

プレゼンやユーザーからのフィードバックを素直に受け止め、改善を繰り返すことでサービスの質が上がっていきます。

7. 共同創業者を探す

ここまで来たら一緒に夢を追いかけてくれるパートナーを探し始めましょう。その際に大切なのは、同じビジョンを持っていながらも、自分には無い強みを持っていること。

Airbnbの創業者3人も、それぞれ全く異なる性格だったそうです。

8. 法人登記を行う

実はスタートアップのプロセスでは、最初から法人登記をする必要はありません。

まずはプロダクトを作り、ユーザーの反応を見て、ビジネスになる実感を得て初めて登記を行うことが多いです。

Appleも法人登記を行ったのは最初のプロダクトを作ってから1年以上先のことでした。

9. エンジェル投資家から資金調達を試みる

法人登録を行う理由の1つが外部からの投資を受けるため。

しかし、通常はユーザーや顧客がいない状態では投資・融資を実現するのは難易度が高いです。

そんな時は、ビジョンとアイディア、情熱に対して個人投資をしてくれるエンジェル投資家を狙うのが良いとされています。

10. サービスを一般公開する

ユーザーフィードバックと改善を繰り返し、プロダクトの品質がある程度高まった時点で世の中へのリリースを行います。

その際に、フィードバックをくれたユーザーに対してお礼のメッセージを添えた告知を行います。

11. 初期ユーザーに感想を聞く

リリースしたら、やはりユーザーからの感想を集め、プロダクトの改善につなげていきます。

ただし、その全てを実現するのは不可能なので、自分たちのビジョンにより貢献する内容を精査しながら改善を進めていきます。

<継続して使ってくれない場合>
12a. ユーザーに納得してもらえるまで改善を繰り返す

多くの場合、初期リリース直後は注目されたとしても、しばらくするとユーザーの伸びが鈍化します。

でも焦りは禁物です。使ってくれるユーザーに連絡して、どうしたらより良いプロダクトになるかを徹底的に聞いていきましょう。

<継続して使ってくれる場合>
12b. 初期ユーザーを1,000人集める

プロダクトを継続的に使ってくれるユーザーが増えてきたなら、その人数が1,000になるまで増やしましょう。

1,000までユーザーが増えればネットワーク効果やクチコミを通じてよりユーザーが増えるフェーズに入ることができます。

13.ユーザーを毎週5%増やす

ユーザーがどんどん増えるフェーズを“グロース”や“ハイパーグロース”フェーズと呼びます。

いわゆる軌道に乗った状態ですが、ここでの目標は週に5%成長です。

14. VCから資金調達を繰り返し、2,500万ユーザーに到達するまで成長させる

このグロースステージを走り続けるには、なるべくユーザーに喜んでもらえる要素をプロダクトに盛り込む必要があります。

例えば、金額をできるだけ安くする、広告を表示しない、サポートを手厚くする、など。

これの実現には利益を犠牲にするため、投資会社やVCから資金調達を何度も繰り返し (ラウンド) 会社を成長させます。

15. 大成功!

十分なユーザー数と利用頻度を実現し、会社の規模も拡大したところで、最後の大勝負であるエクジットへの準備を進めましょう。具体的には、他の会社に買収されるM&Aと株式市場に上場するIPOの2種類が考えられる。

日本だとIPOが、アメリカだとM&Aがより一般的です。

スタートアップの失敗理由 Top10

95%が失敗すると言われているスタートアップ。その理由でダントツに多いのは、作り出したプロダクトが市場のニーズに合っていないことです。

ガラケー

このデータを見てもわかる通り、自分たちが作り出したものが本当にユーザーに求められているのかを繰り返し検証することが重要なのです。

スタートアップのチーム編成

スタートアップの最小単位は何人?という質問も多く聞かれます。一昔前であれば、ビジネス担当、デザイン担当、システム担当の3人が定番だったが、最近の場合は、下記の6つの役割を初期メンバーで分担するのが良いとされています。

  • 1. ビジョン担当
  • 2. ビジネス担当
  • 3. 開発担当
  • 4. デザイン担当
  • 5. マーケティング担当
  • 6. 実務担当

チームは小さい方がスピードが速い

シリコンバレー的な発想だと、初期チームはなるべく少ない人数で進めた方がプロダクト開発のスピードが速くなるとされています。例えばJeff Bezos氏によると、Amazonで新規サービスを作り出す際には “2 Pizza Team”と呼ばれる手法を活用しています。これは、ピザ2枚でチームメンバーの全員が満腹になるぐらいのメンバー数が良いということ。

ガラケー

そうすることで、多くの独立したアイデアが速いスピードで密なコミュニケーションと、当事者意識が生まれる分散型の会社になるといいます。

社内スタートアップのススメ

既存の企業であってもスタートアップをすることが可能です。

特に日本の場合、人材のクオリティーやリソース状況を考えてみると、大企業の中から新しいサービスを生み出すための社内スタートアップの仕組みが最も効率的な方法の1つになるとも考えられています。

最後に

スタートアップの基本は、課題を見つけ、プロトタイプを作り、ユーザーテストをして改善する。この繰り返しです。

記事内では、プロセスという形で順序立てて記載していますが、その過程は地道であることはほとんどです。

それでも、成功しようと努力を繰り返すことにこそ、スタートアップの魅力があると思います。

スタートアップという言葉が先行し、その正式な定義やプロセスの理解に至っていない方にとって再確認の内容になれば幸いです。

執筆者:btrax Japan

編集・編集責任者:大阪イノベーションハブ 大谷

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