
関西に新たなイノベーションを加速させるピッチイベントで、 起業家と大企業、VCを強くつなぐ
大阪イノベーションハブ(以下、OIH)が、設立から5周年という節目を迎えた2018年。6年目として気持ちも新たにスタートを切った2019年1月29日。これまでOIHが築きあげてきた大企業・ベンチャー企業との交流をさらに盛り上げ、活発化させるためのイベント『第一回 うめきたピッチ』を開催しました。 オープンイノベーションや新規事業開発に興味がある企業、ベンチャー企業に会いたいと希望される企業を対象にご招待。当日は17社27名の方にご参加いただきました。 開催の挨拶には、OIHの統括プロデューサー・長川 勝勇が立ち、1月〜3月まで計5回にわたるイベントの記念すべき第1回目の幕開けです。OIHでのイベント参加がきっかけに。革新的な事業として認められ、飛躍したakippaの『シェアリング事業』
会場が熱気に包まれる中、特別ゲストとして登場したのは、akippa株式会社代表取締役社長CEOの金谷元気氏。金谷氏は、「駐車場のシェアリング」をビジネスとして展開、OIH設立の頃から、積極的にかかわりがあった人物の一人です。
講演では、まず事業の簡単な概要紹介があり、開始からわずか5年で100万人の会員登録が得られるまでに成長したことなど、金谷氏が起業に至るまでの経緯と事業創造、そしてakippaスタートのエピソードや失敗談、成功への道筋などをお話しいただきました。
「私は17歳、高校3年の時に、Jリーガーをめざすことを決め、進学も就職も一切しないことを宣言しました。しかし、卒業後はすぐにJリーグとプロ契約には至らず、関西リーグに所属してチャンスを伺っていたんです。」という意外な話に、驚く参加者の姿も。
数年間で2度あったチャンスを活かせず、22歳の時にJリーガーの道をすっぱりとあきらめた金谷氏。すぐさま気持ちを切り替えて、起業を前提として行動を開始します。
「22歳だった私は、就職もしたことがありませんでしたし、最初はビジネスのことも知りませんでした。そこで一部上場の通信会社に就職し、2年間営業として経験を積み、24歳の時に独立、起業しました。最初は、今のような事業ではなく、前職の経験を活かして携帯電話の販売事業を展開。2年後には、新卒社員6名を採用するまでに成長。東京オフィスを開設するまでになったんです。しかし、3年目に将来の会社成長を考え、自社事業でやっていこうと考えて、求人事業を開始。この時、リーマンショックの影響から業績が悪化してしまい、どこからも融資を受けられない状態になりました。」
起業から数年で急成長したものの、経営悪化して役員に何ヶ月も給与が払えない状況になったという赤裸々な話もあり、会場も真剣に聞き入っている様子。
後半には、この会社倒産危機から立ち直るきっかけとなった経営理念を新たに策定し、社員全員で新事業を検討したこと、それが今の事業誕生のきっかけとなったことを話していただきました。
「akippa事業をスタートしようとした時にOIHの下克上というイベントに参加し、1回目は優勝できませんでしたが、めげずに2回目も出場させていただいた時に、色んな企業様から事業を高く評価され、“このビジネスはイケる”という実感を持ちました。初めて世の中から認められたと思えた瞬間でしたね。」とOIHでの思い出と、その後多くの企業から出資いただけたこと、企業と人、ビジネスと企業が結び付く場所がOIHだったこと等、最後に今の成功につながるストーリーを熱く語っていただきました。
OIHでも注目を集めるベンチャー4社のピッチセッション
金谷氏の講演後、さっそく今回のイベントのメインとなるベンチャー企業4社によるピッチがスタート。それぞれ7分間の持ち時間で、事業内容やビジネスが生まれた背景、これからの展望等を説明します。
おもいやりデザイン合同会社 代表CEO 山本 高史氏
内容
障がいや病気等、個別に配慮が必要な人にホテル業界やサービス業界等が、対応する場合に活用できる日本最大級の配慮データプラットフォームを構築。その配慮データから、多くの有名企業とつながり、障がい者向けの接客・接遇対応に関するサポートビジネスを行っていることを説明。
株式会社リモハブ 代表取締役CEO 谷口 達典氏
内容
自身が医師として活躍する中で、気づきを得た、高齢者に多い心疾患後のリハビリテーションを自宅で行える「遠隔リハビリテーションシステム」の研究開発事例を紹介。実際の医療業界の実例や海外データ等と共に、これからの高齢化社会で人が健康に生活できることの有用性について発表。
ゴイク電池株式会社 常務取締役 田畑 英志氏
内容
世の中の電気自動車へのシフトや施設への蓄電池導入等で、電池=バッテリーの活用がますます進む社会において、バッテリー容量と劣化の測定に時間がかかりすぎるという課題を詳しく解説。こうした中で、同社が開発したわずか1秒でバッテリーの容量と劣化を診断できる世界初の技術を解説。