【2025年11月17日 (月)～11月21日(金)】KSAC Boston Program 2025

開催概要

この度、KSAC※1事務局である大阪産業局は、バイオ・ライフサイエンス分野のグローバルアクセレーター、BioLabsと共同で「KSAC Boston Program 2025」を開催しました。
※1：KSAC（関西スタートアップアカデミア・コアリション）は、関西圏の大学、産業界、金融機関、自治体など90以上の機関が参画し、起業家層の拡大を通じて世界に通用するスタートアップ・エコシステムを創造するためのプラットフォームです。

本プログラムは、世界のバイオ・イノベーションの中心地であるアメリカ・ボストンで、KSAC参画大学の研究シーズの事業化とグローバル市場展開をサポートすることを目的としています。2024年度から始まったこの取り組みは、日本の優れた研究シーズやKSACの取り組みを現地のコミュニティに紹介し、共同研究や出資等を通じた具体的な事業化の加速、そしてグローバル展開の機会を探るために実施されました。 今回、起業に向けて挑戦するKSAC参画大学から選抜された5つの革新的なプロジェクトに取り組む研究者たちがボストンへと飛び立ちました。

＜1日目＞BioLabsアクセラレーションプログラム

KSAC Boston Programの前半4日間は、BioLabsと連携したアクセラレーションプログラムを開催しました。
初日は、「ピッチデックの作り方」をテーマにしたワークショップからスタートし、世界最大級のバイオ・ライフサイエンス分野のクラスターであるボストン・ケンブリッジの歴史と変遷に触れ合えるツアーが実施され、イノベーションが生まれた背景への理解を深めました。

＜2日目＞BioLabsアクセラレーションプログラム＆ネットワーキング

この日は、「資金調達の戦略」と「市場検証・ビジネスモデル構築」をテーマとしたワークショップが実施されました。
ワークショップの後は、ボストン現地のバイオ・ライフサイエンス関係者とのネットワーキングイベントを開催。関係者を含む約30名が参加し、研究者たちは現地のキーパーソンたちに研究内容を紹介しました。このネットワーキングイベントを通じて、今後の事業化につながる貴重なネットワークを構築することができました。

＜3日目＞BioLabsアクセラレーションプログラム＆バブソン大学訪問

この日は、医薬品開発に必不可欠なTPP（Target Product Profile）の活用方法に関するワークショップが実施されました。
その後、研究者たちは現地の投資家や事業会社、大学関係者との1対1面談で研究シーズの事業化に関するアドバイスを受けました。そして、アメリカのアントレプレナーシップ教育で有名なバブソン大学を訪問し、大学教授から研究の商業化に関する講義を受けました。

＜4日目＞BioLabsアクセラレーションプログラム・成果発表会

アクセラレーションプログラム最終日は、アメリカでの効果的なコミュニケーション技術を学ぶためのワークショップが実施され、前日に続き現地の投資家や事業会社、大学関係者との1対1面談で、事業化に向けた議論を深めました。
そして、プログラムのハイライトとして、現地のバイオ・ライフサイエンスコミュニティー関係者を招き、4日間の成果を発表するピッチイベントを開催しました。

現地の関係者約20名が集まる中、研究者たちは、大学発の技術を世界へ羽ばたかせるための生きた知見とグローバルネットワークを構築するができました。

“「本日のピッチ」受賞！
審査委員の審査と参加者の投票により、大阪大学の前田先生が見事「本日のピッチ」を受賞されました！

＜5日目＞ピッチイベント「Deep Tech Bridge 2025」開催

プログラム5日目には、Venture Café Tokyoと共同でピッチイベント「Deep Tech Bridge 2025: Connecting Kansai and Boston」をイノベーションの聖地CICケンブリッジにて開催。
現地のバイオテックコミュニティからVC、業界関係者、起業家、大学関係者など約64名が参加する中、KSACの研究者によるピッチセッションが行われました。さらに、現地で活躍している日本発スタートアップによるピッチや、専門家によるライトニングトークも交ぜられ、会場は熱気に包まれました。

ネットワーキングセッションを通じ、研究者たちが現地のステークホルダーと有意義なつながりを築き、日本の優れた研究成果をボストンのイノベーションエコシステムと結びつけることができました。

■プログラムの成果・今後の展望

参加者からは、この1週間の「CEO体験」を通じて、スキルとマインドセットを身につけることができたと高い満足度が示されました。 本プログラムは具体的な事業連携へと直結しており、参加した研究者の中には、既に現地の医療機関との共同研究面談や、国内・海外企業との連携面談などが予定されています。

KSACは今後も、本プログラムを通じて構築されたグローバルネットワークを活用し、関西圏発のスタートアップが世界で活躍できるエコシステム創造を加速させていきます！