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イベントレポート

【2020年2月6日開催】Startup World Cup 2020 Osaka Regional

大阪から世界へ!イノベーションの聖地・シリコンバレーをめざして、スタートアップ10社が激突

優勝賞金1億円獲得をめざす世界最大級のグローバルピッチコンテストが、大阪の地でついに開幕。

世界60以上の国と地域で予選が行われ、各地で優勝した60社以上のスタートアップ企業が、2020年5月22日にサンフランシスコのシリコンバレーで行われる世界決勝戦で優勝投資賞金1億円をかけて競い合うー。世界で事業を認められ、加速させたいスタートアップ企業にとっては、まさに最高峰とも言える、世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンスである「Startup World Cup」。
2020年2月6日(木)の大阪予選『Startup World Cup 2020 Osaka Regional』では、主催のペガサス・テック・ベンチャーズと大阪イノベーションハブの共同開催のもと、選考を通過した8社と福岡県飯塚市で開催された九州ロードショーで選出されたトップ2社の計10社が登壇。世界への挑戦権を賭けて白熱の戦いが見られるとの期待感から、380席近くある会場「ナレッジシアター」には収まりきらず、サテライト会場が用意される程、多くの観客が訪れた。

【18:00〜開会】 主催者・アニス・ウッザマン氏がコンテストのスタートを宣言。イノベーター達へ、熱いエールを贈る。

一般観衆をはじめ、スタートアップ企業関係者、大手企業、VC(ベンチャーキャピタル)等、多くの人がこれから繰り広げられる英語でのピッチコンテストへの期待が高まる中、司会・MCのジャスティン・パターソン氏の軽快なトークからイベントはスタート。
まずは大会を主催するペガサス・テック・ベンチャーズCEO アニス・ウッザマン氏が登場し、「この大会は4年前に私が考えたもので、“若い人達、スタートアップ企業とシリコンバレーや世界をつなぐプラットフォームをつくりたい”との思いからはじめました。今年は大体5万社の参加申し込みがあり、60カ国で予選を開催する計画です」とこの大会をスタートさせた思いとイベントの今について語った。 「世界チャンピオンになると1億円の投資を得られますが、実際はそれ以上です。決勝には、世界から2500人もの観客が来るわけですが、その中には世界的な大手企業の経営者や経営企画担当、投資家も多数いて、優れたビジネス、スタートアップ企業には20億〜30億円規模の投資が集まることもあります」との言葉からは、世界大会に参加すること、さらに優勝することで得られる想像を超えるスケールのメリットがあることが感じられた。 実は、オバマ元アメリカ合衆国大統領にも決勝へのゲストとして参加を打診中で、「まだ断られていない」と驚きの発言も飛び出す等、登壇者、会場の観客共に今からはじまるピッチ内容、熱いバトルへのボルテージは上がっていった。

【特別ゲストスピーカーによるパネルディスカッション】 時代を先駆け、成功を手にしたスタートアップ企業のリーダーが語る、IPOへの道のりと起業家としての思い。

大阪市・経済戦略局長 柏木陸照氏の「世界ナンバーワンと言われるペガサス・テック・ベンチャーズに認められたことを名誉に思うと共に、予選の場所として大阪を選んでいただいて感謝します」との挨拶の後、特別ゲストをスピーカーに迎えたパネルディスカッションがはじまった。 早稲田大学ビジネススクール・准教授の樋原伸彦氏をモデレーターに、AI CROSS株式会社・代表取締役社長の原田典子氏、株式会社ジーニー・代表取締役社長の工藤智明氏の2人がパネリストとして紹介されると会場には拍手が巻き起こった。
VC(ベンチャーキャピタル)、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の研究者として知られる樋原氏、スタートアップから急成長し、株式上場を成し遂げた原田氏、工藤氏というスタートアップ分野では著名な3人が語る内容に、会場の観客達も興味津々。
30分と短い時間ながら、「起業のきっかけ・起業してどのように世界を変えたかったのか?」をはじめ、「ファイナンスや事業運営上の苦労について」「IPOの背景やモチベーションの維持の仕方について」等の質問に対し、起業後、すべてが順風満帆ではなく、人材確保の難しさや資金調達の苦しさ、時にはだまされることもあった等、2人の赤裸々な話に観客は魅了された。

【グローバルピッチコンテストスタート】 わずか3分間の英語でのピッチに全身全霊を傾けて、10人の登壇者達が熱いバトルを繰り広げる。

スタートアップとしてIPOを達成し、事業拡大を続ける先輩起業家達のトークが新たなエネルギーとなって、会場の熱気はますます高まる中、今大会のために寄せられた安倍晋三内閣総理大臣からのメッセージが読み上げられると、さらに会場の熱気は最高潮に! そしていよいよ・・・ 10社による大阪予選がスタート。審査員の紹介に続いて、登壇者達が世界への切符を賭けて争う熱戦の火蓋が切って落とされた。
01「株式会社ニューレボ」 スマホでバーコードを読み取り、在庫の数量を管理することができるクラウド型在庫管理アプリ「ロジクラ」を無料で提供。リリースから8か月で導入企業数は5,000社。
02「株式会社SIRC」 1つのセンサで電流、電力、角度、周波数抽出という4機能を発揮することを可能にするIoT向けスマートエネルギーセンシングデバイス「SIRCデバイス」を提供する大阪市立大学発ベンチャー。
03「あっと株式会社」 採血することなく人の指先の毛細血管画像をモニタリングする機器と、その画像を取得・分析し、3秒でその人の健康状態が分かる世界初の毛細血管解析システムを開発。
04「mui Lab株式会社」 タッチセンサーとワイヤレスセンサーを内蔵した木製IoTデバイス mui を開発。
05「株式会社ウォーターデザイン」 世界で初めて水道器具認証を受けたミクロより小さいナノサイズのウルトラファインバブル生成機「 UFB DUAL 」を開発。導入施設数5,000以上。
06「ネクストイノベーション株式会社」 女性向けに医師をオンライン上で直接つなぎ、ピルを届けるオンライン診察アプリ「スマルナ」を提供。ユーザー数5万人以上。
07「オングリット株式会社」 街灯の老朽化をAIと振動センサーを搭載したロボットで診断するインフラ点検用ロボを開発。ドローンではないので、飛行許可等が不要で利用可能。
08「EAGLYS株式会社」 データを暗号化したまま集積・分析・AI処理できる秘密計算プラットフォーム「DataArmor」を提供。
09「インテグラル・テクノロジー株式会社」 自動車の車体や、樹脂製射出形成品のCAE(コンピューター上の試作品を用いてシュミレーションし分析する技術)モデルを自動形成するソフトウェアを開発。
10「株式会社クォンタムオペレーション」 非侵襲型血糖値小型センサーによるウエアラブル(腕時計型)の血糖値モニターを開発。

英語による3分間のピッチ、その後の2分間で日本語による質疑応答がスピーディに繰り広げられる。トータル5分と凝縮された時間の中で、いかに事業の魅力、起業家としての思い、世界をどう変えていくのかを、次々と伝えていくスタートアップの登壇者たち。

特にピッチ後の、審査員たちからの「競合は?」「収益モデルは?」「類似のビジネスは?」といったビジネスを深掘りするクリティカルな質問の数々に、登壇者達が言葉を選びつつ答える様子は、まさに息をのむシーンの連続。その緊張感あふれるやりとりは、多くの観客達にアスリートの演技を見た後のような感動と驚きを与えた。 約1時間にわたった、全10社のピッチは終了。審査員は、控え室に戻り、優勝者の検討に入っていく・・・。 その表情・雰囲気から、実力派揃いのスタートアップの中から1社に絞り込むことの難しさを感じ取ることができた。

審査結果が出るまでの時間、関西外国語大学・チアリーディング部パイレーツのみなさんが、緊張した会場をほぐすかのように、華麗かつ力強いパフォーマンスを披露。続いて会場を提供したナレッジキャピタルの印南敬介氏による取り組み説明、大阪イノベーションハブの長川勝勇氏による取り組み説明等が行われた。

【結果発表・表彰】 熱戦を制したのは、世界初の特許技術を持つスタートアップ。世界の競合との戦いに向け、気持ちも新たに!

優勝者発表の前に大阪予選協賛企業3社から特別賞が次々と発表。
マネックスベンチャーズ賞「EAGLYS株式会社」 後日、面談において各社のニーズに合わせた賞を授与
WeWork賞「ネクストイノベーション株式会社」 ホットデスク メンバーシップを最大6ヶ月間無料で贈呈
PR TIMES賞「mui Lab株式会社」 PR TIMESリリース配信6か月間無制限無償
続いてメインスポンサーからの特別賞も発表。
日本マイクロソフト賞「株式会社SIRC」 日本マイクロソフトとの事業提携のための相談機会を獲得。
サントリー賞「株式会社ウォーターデザイン」 サントリーグループとの事業提携に関する面談・交渉の機会を獲得。
そしていよいよ大阪予選のクライマックス。優勝者発表に向けて、審査員達が壇上に登場。まずアニス・ウッザマン氏から審査員達一人ひとりにトロフィーが渡され、感謝の意を表した後、会場は一瞬の静寂に包まれる・・・。
ついにその時。MCのジャスティン・パターソン氏が一層声のトーンを高め、「大阪予選優勝者は、株式会社ウォーターデザイン」と告げた瞬間、観客席からは歓声がわき起こり、会場全体に響き渡る。
今回優勝した「株式会社ウォーターデザイン」は、ウルトラファインバブル機器として世界初の特許を取得した製品・技術を強みに、工場配管や食品加工現場、住宅でも高い洗浄力を提供できる、まさにオンリーワンな技術であること、さらに医療や美容、環境分野にも広がりが期待されることが評価された。 世界への切符を手に入れた勝者には、観客から惜しみない拍手が贈られたのだった。
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