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サービス

フィンテックベンチャーのペイミー

給与即日払いサービスが好調

早朝のプレゼンテーションイベント「Morning Meet Up(モーニングミートアップ)」。ベンチャー企業と大企業の事業提携や資金調達を目的に、毎月第2、4金曜日の朝7時から大阪市北区の大阪イノベーションハブで開かれている。

毎回テーマを設けて業界概観説明とベンチャー企業によるプレゼンが行われており、2013年の開始から延べ300社を超える企業が登壇。大きなニュースや事業につながる可能性を秘めたさまざまな提携事例も生まれている。今回はフィンテック(FinTech)分野の注目ベンチャーを紹介する。

非金融の協業進む

「フィンテック(FinTech)」とは、金融を意味する「ファイナンス(Finance)」と、技術を意味する「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語で、決済や融資、クラウド会計や電子通貨、クラウンドファンディングなど細分化していくと22の領域に分類される。 グローバルでは、フィンテック分野の企業は16年には5000社を超えており、17年のベンチャーキャピタルからの投資総額は166億㌦で過去最高を記録した。国内では、16年に銀行法の改正や仮想通貨法の成立、電子帳簿保存法の改正など、FinTechベンチャーを後押しするかのように法環境の整備が進められ、スマホによる決済サービスや、個人間の送金アプリ、銀行口座と連動して貯蓄ができるサービスなどさまざまなサービスが生まれている。 さらに金融関係だけでなく、領域を超えた企業同士の協業なども急速に進んでおり、今後も一般ユーザーから企業までを対象に多種多様なサービスの開発が期待される。

人材採用にも効果

フィンテックベンチャーのペイミー(https://corp.payme.tokyo)(東京都渋谷区、後藤道輝代表)は、給与の即日払いサービス「Payme(ペイミー)」を提供している。このサービスは、契約企業の勤怠管理情報と連動しており、従業員が給料の中から受け取りたい金額をオンラインで申請すると、同社が契約企業に代わって申請者へ振り込みを行う。給料日には、前もって受け取った金額と利用料を差し引いた金額が従業員に振り込まれる仕組みだ。 利用料は与信によって異なり、従業員が負担する。企業側は初期費用も利用料も不要で、煩雑な手続きはすべてPaymeが行うため、経理担当者の負担も少なくて済む。アルバイトが実働した給与や、正社員の固定給の上限7割までの即日払いに対応している。 本サービスを導入した企業の中には、求人の際に「給与即日払い」と記載することで、通常の3.7倍の応募があったり、スタッフの定着率が2倍になったりと副次的な効果が出ている事例も多い。 また、実施にPaymeを利用している従業員からは、「急な出費があっても安心」「スマホやパソコンがあれば場所を問わず申請ができ便利」と好評だ。 サービス開始から10ヶ月で契約企業は100社以上、対象となる従業員は1万人を超えている。今後は異業種の企業との提携を積極的に進め、年内に20万人の登録をめざしている。
フィンテック分野のプレゼンでは、その他に24時間単位でいつでも加入できるオンデマンド型保険アプリ「Warrantee Now」を提供するWarrantee(ワランティ、 大阪市中央区、庄野裕介代表)、個人投資家に自動売買サービスを提供するオートマチックトレード(同市中央区、松村博史代表)、小さい会社の経営を分析・予測するクラウド経営分析サービス「Manageee」を提供するナレッジラボ(同市北区、国見英嗣代表)、導入店舗数5万以上!低価格で高機能なクラウドPOSレジを提供するスマレジ(大阪市中央区 、山本博士代表)の4社が登壇した。
(デロイトトーマツベンチャーサポート 井村仁香)

*本文は2018年5月28日付けフジサンケイビジネスアイ「ニュースの卵」に掲載された内容です。 記事の無断使用・転載を禁止します。

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