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教育サービスベンチャーのトワール

子供の学習スタイル可視化

早朝のプレゼンテーションイベント「Morning Meet Up(モーニングミートアップ)」。
ベンチャー企業と大企業の事業提携や資金調達を目的に、毎月第2、4金曜日の朝7時から大阪市北区の大阪イノベーションハブで開かれている。
毎回テーマを設けて業界概観説明とベンチャー企業によるプレゼンが行われており、2013年の開始から延べ400社を超える企業が登壇。大きなニュースや事業につながる可能性を秘めたさまざまな提携事例も生まれている。8月6日には、第100回となる記念イベントが開かれ、ベンチャー企業8社のプレゼンとともに、大企業のオープンイノベーション担当者を交えたパネルディスカッションが行われる予定だ。
今回は、「学ぶ人」をテーマに教育関連の注目ベンチャーを紹介する。

学びの方法が多様化

教育業界は、20年に小学生向けプログラミング教育の必修化や大学入試試験制度の改革を控え、さらにグローバル化やICTの進展によりさまざまな対応を迫られている。また、新たなツールや通信インフラの整備をベースに、教育(education)とテクノロジーを融合させ、教育にイノベーションを起こす「EdTech」という造語が生まれ、新たなビジネス領域として注目されており、異業種から参入も多い。 
EdTechの登場により、これまで主流だった集団や個別での指導に加え、スマートフォンなどの端末を使った講義動画の配信、楽しみながら学ぶゲーミフィケーション、個人に合わせた学習ができるパーソナライズド・ラーニングなど学びの手法は多様化してきている。さらに、学校運営や授業の効率化、生徒や保護者と教師とのコミュニケーションの円滑化などにも波及し、教育を取り巻く環境の変化は今後さらに加速していくと考えられる。

科学的根拠で塾選び

学びの方法が多様化してはいるももの、経済産業省の統計によると学習塾の事業所数はここ数年微増を続けている。少子化でも子供一人にかける教育費は減っておらず、その分、子供や保護者のニーズは多様化、高度化しており、学習塾の競争は激化の一途だ。そんな中注目されているのが、教育サービスベンチャーのトワール(https://nocc-jp.com/)(大阪市西成区 濵野裕希代表)が提供している、生徒の学習スタイルを測定、可視化する「Nocc(ノック)教育検査」だ。この検査は、関西学院大学の教授と共同開発されたもので、本年4月からサービスを開始した。
スマートフォンなどの端末を使い100問程度の質問に回答すると、知的好奇心や情緒安定性など9項目が数値化され、それらを独自のアルゴリズムで掛け合わせることで、学習に対する応用力や継続性、勤勉性などを導き出すことができる。講師はこの結果に基づき、生徒の特性に合わせて、説明方法や宿題の目標設定、進捗管理などを工夫することで、学習効率の向上を図ることができる。
現在、学習塾や予備校向けに提供されており、対象生徒の学習に関する能力の変容を検証する共同研究も行っている。測定時間は30分程度で、価格は1人あたり1回2980円(税別)。初年度2万人の利用を見込んでいる。また、測定結果と保護者の希望などから、生徒に最適な塾の紹介を行う個人向けサービスも6月から開始した。ミスマッチを防ぎ、満足度向上により離塾率を下げる狙いだ。トワールでは、今後、科学的根拠に基づいて塾や先生を選ぶことを定着させていきたいとしている。

教育関連ベンチャーのプレゼン会では、その他に、オンライン家庭教師サービス「AiDnet(エイドネット)」を展開するキャニオン・マインド(京都市中京区 西岡博史代表)、従業員の育成マネジメントシステム「Joinny(ジョイニー)」を提供する、まつりば(東京都渋谷区 森真悠子代表)、短期間で英語を習得するためのパーソナルトレーニングを行う恵学社(京都市下京区 岡 健作代表)の3社に加え、教育用のコンピューター自動設計ツールを提供するBlocksCAD(ブロックスキャド)(アメリカマサチューセッツ州 Solomon Menashi CEO)がボストンからスカイプで登壇した。
(デロイトトーマツベンチャーサポート 井村仁香)

*本文は2018年7月23日付け フジサンケイビジネスアイ「ニュースの卵」に掲載された内容です。 記事の無断使用・転載を禁止します。

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